・いい匂い by殺生丸
「はぁ〜、いいお湯でした」
温泉からあがり。ほかほかとした気分の私を殺生丸がチラリと見てきた。
「なに、殺生丸?お風呂上がりの私を見て『さすが、私の惚れた女だ……。色っぽい……』とか、思ってるんじゃないでしょうね?いや〜、そう思われるなんて、さすが私ね。おほほほ」
妙なテンションの私を少し冷たい目で見た殺生丸は立ち上がって、私のそばにくると、顔を寄せてきた。
「ちょッ!顔が、近い!」
「おまえ……、いい匂いだ」
「へ?」
「いい匂いだな」
顔がほてる。
「その言葉……反則だよ……」
どんな色めいた言葉よりも、この言葉が一番恥ずかしい。