最近、蛮骨の大兄貴の片思いの相手の様子が変だ。いつものように兄貴の熱烈なプロポーズを受けては、跳ね返しているが、時々ため息をついているし、いつも変わらない綺麗な顔に疲れが見えている。別にあんな女に興味はねぇーけど、一応毎日見てるから気になるじゃん。俺優しいし。
「よぉ、」
「あ、……蛇骨さん……」
「どうしたんよ。最近、元気ねぇじゃん」
俺の名前をちゃんと覚えていたらしい。けっこういい子なんじゃないか?
「……あの……」
少しするとが威を決したように話し始めた。
「最近暗くなるのが早くなって……それで……」
「うん?」
「……ストーカー……にあってて……」
だから、元気なかったのか。なるほど納得。確かに最近暗くなるの早いし、みたいに可愛いけりゃストーカーにあって当たり前だろうしな。可愛い顔に生まれてある意味大変だねぇ。
「ストーカー?」
「はい。大学を出て家までの道を、ずっとついてくるんです」
「何か、されたりしないの?」
「いえ、見てるだけです」
「そーかー」
も大変だな。あ!これを蛮骨の兄貴に伝えたらいいんじゃない?普段キモくてウザキャラだけど、こーいうときにを狙うストーカーを撃退させて蛮骨兄貴に対するの好感度をアップさせてやろう。うん。俺って本当にいい奴だよな〜。
「兄貴〜!!」
「ああ、蛇骨か」
授業が終わったらしい蛮骨兄貴を見つけて俺は駆け寄った。
「兄貴、ちょっといいか?」
「いいけど、早く終わらせろよ。今からに会いに行くんだからよ。気分は、『いま、会いにいきます』みたいな?」
うわーウゼー。本当にアンタは一言多いな。ぜってぇ言わないけど。
「いや、そのの話しなんだよ。がストーカーにあっていることを知っていましたか?」
「マジで!?」
「うわーまさか、蛮骨の大兄貴の『マジで!?』を聞くことになるとは〜」
「蛇骨!その話しは本当か!?」
「え〜。まーから聞いたからなぁ」
「くっ俺としたことが……!いつも、暗闇の中でも見守っていたというのにッ!!」
「へ?……いつも?」
「ああ、最近暗くなるのが早いだろう。だから、学校から家までの距離をな」
「でも、は一人で帰ってるって……」
「なんだ、その。一緒に帰るの恥ずかしいだろう。だから……を狙う不埒な輩から、こっそりを守る。気分はボディーガード。みたいな?」
最大の不埒者が何を言う
「兄貴……、とりあえず止めてあげて……」